のののののうらがみ

カレンダーの裏程度のことしか書いてないよ

devでもadminでもない人のKAIZEN(前編)

この記事は、Salesforceの管理者権限を持つ人向けではないです。

Salesforceって、うちでも使ってるけど、アレ入力すんの面倒なんだよね。開発ベンダーも適当に作ってったからさ。改修もしてくれないし、もうシステム刷新を待つしかないね。あれが世界中ですごいシェアを誇ってる?すごい売上増や、顧客満足度増を出す?いやぁ嘘だねー。外資はみんな外面だけ良くするけど、売ったあとは適当だからね」
っていうストレスフルな人達向けです。

…この記事にたどり着くあなたのような方の会社には、そんな人はいなさそうですか?私の職場には沢山います。。。

 

都会に慣れてから田舎に帰ってきたような気持ち

昨年末、1年近く関わっていたSalesforce開発運用案件から残念ながら外れることとなり、システム運用の現場に戻ってきました。
今の現場でもSalesforceは使っていますが、素敵な運用ができているかというと、そうではないです。少しSalesforceを勉強して、素敵な活用法やベストプラクティスに触れる機会が増えたからこそ、今の現場でのSalesforce活用にはとても課題があること、ほとんど分析には活かせていないことに気づきました。

この記事ではとりあえず便宜上、私が使うSalesforce環境の事を運用管理システムと呼ぶことにします。
おおまかには、ケースオブジェクトやらその他諸々のカスタムオブジェクトを魔改造して、ヘルプデスク業務に使っていると思ってもらえればオッケーです。

私の中での今の現場の苦しみには、以下のようなものがあります。

Lightning移行できない

この運用管理システムは、作り込み画面が多すぎて、Lightning移行するには多大なお金がかかるから移行しないとのこと。これがめちゃくちゃ辛いです。ドラッグアンドドロップの変幻自在レポートビルダーが恋しい。
いやでも、Salesforceを勉強する前まではLightningの存在自体知らなかったんです。困りもしなかったんです。でも今では「Lightningだったら、こんな帳票、ダッシュボードで似たような形に作って印刷すれば済むのに!みんなの業務を楽にしてあげられるのに!」と思ってしまう。傲慢なのかしら…うう…知らなければよかったのかもしれない。。。(そんなことはないけど)
そんなわけでこの記事で書いているハックはClassicを前提にしてます。クラシックかどうかわからない?Salseforceの画面の右上に自分のアイコンかAstroのアイコンがなければClassic環境です。

データ型や項目名がひどい

さて、今月分のこの業務にかかったオペレータ工数を集計するぞー!この項目に数字が入ってるから、この項目引っ張ってきて合計して、条件付き色分け表示で良さそうだな。よしよし。レポートつくるぞ。
…ってあれ、この項目、、、テキスト型だーーーーっ!!
って事が多々あります。

この運用管理システムの運用部門は、あまりフットワーク軽く動くわけにはいかないらしいです。システムへの改修をかける際は、事前の計画、申請、承認、承認、承認、申請、承認が必要になるようです。いや、これは仕方ないんです…。障害が起こってからではインパクトがでかすぎるんです。辛いけど理解はします。
…だからって!滅多に項目名を変更したりデータ型を変えられないからって!

「汎用1」「汎用2」「汎用3」…「汎用19」「汎用20」

はないでしょうーーー!!!
ヘルプテキストもないので、誤入力の嵐です!!!数字を入れたりしますが、全部テキスト型です!!!!集計のためにはcsvでDLのうえ、Excelでピボットテーブルです。うわぁぁぁん!!

一意に定まる値を何度も入力させる

例えば、「ケースの解決日時」とか、日付が入った時点でケースは解決していると見なせますよね。
そのはずなのに、別の選択項目で「未対応/対応中/解決済」があるんですよ。それが連動していないんですよ。二度手間!!!!三度手間!!!!!!ストレスフル!!!!!!

 

DevもAdminもいない!いらない!でもあきらめられない!

残念ながら、私はもうSalesforce管理者ではないのです…。それに、この運用管理システムの運用部隊様に進言できるほどの権限もないのです。この環境はお客様先のものだから…。お客様が納得して使っているツールだから…。

私のフロアのオペレータさんたちもこの環境を享受している。無駄な時間が大量発生していることに気がつくこともなく使っている。つらい。むなしい。。。

…ならばやりましょう、管理者でなくてもできる方法で。
してみせましょう、ユーザでできる工数削減。

みんな大好きExcelを使って、無理矢理にでもSalesforceを使いこなす!!!!
そして私は残業を減らしたい!!!!!

はい。序章が長かった。
つまり今回は、運用部門があまり素敵でなくても、開発部門にお金がなくても、運用部門、開発部門の力を借りずにレコード作成を楽ちんにする方法を作ってみたお話です。

 

URLパラメータを使いこなそう

というわけで、今回私が使いまくったのは、URLパラメータです。今日はこれを使って!レコード作成を楽にしてみたいと思います。(YouTuberぽい切り出し方)

まずは簡単な項目からおさらいしていきましょう。

レコード作成画面を開いて、URLをコピっておきます。(下のURLはサンプルなので接続できません)

https://domain.my.salesforce.com/a03/e?retURL=NankaTakusanKairearu&RecordType=0sample&ent=sample

次に、ソースを開きます。Salesforceの画面のソースは本当に読みやすいですね…。あんまりHTML詳しくない私でもほんのりわかりそう。でもやっぱり詳しくないので、Google ChromeからF12して、色がついた部分を頼りにどんどんコードを掘り下げていきます。

<label for… で始まる、各項目に振られた、15〜18文字の英数字羅列が出てきました。これは項目IDといって、自分のSalesforce環境の中で一意に割り振られたキーとなります。これもコピっておきます。Excelが得意な方は、関数を駆使してIDと項目名の一覧を作れちゃうかも知れませんね。

f:id:nnn123:20200122205152p:plain

 

<label for="00N2v00000sAmPle">食品名</label>

さて、レコードの件名のIDをメモしました。赤文字の部分です。

あとは以下のルールの通りにくっつけていくだけです。

(新規作成用URL)&(項目ID)=(入れたいデータ)

https://domain.my.salesforce.com/a03/e?retURL=NankaTakusanKairearu&RecordType=0sample&ent=sample&00N2v00000sAmPle=ごはん

複数くっつけることもできます。

(新規作成用URL)&(項目ID)=(入れたいデータ)&(項目ID)=(入れたいデータ)

https://domain.my.salesforce.com/a03/e?retURL=NankaTakusanKairearu&RecordType=0sample&ent=sample&00N2v0000stAtuS=スタンバイ&00N2v00000sAmPle=ごはん

 

f:id:nnn123:20200122210552p:plain

改行も入れられます。

https://domain.my.salesforce.com/a03/e?retURL=NankaTakusanKairearu&RecordType=0sample&ent=sample&00N2v00000sAmPle=お米の種類︰こしひかり%0A味︰とても甘い%0A  お赤飯に向いてない

f:id:nnn123:20200122210354p:plain

 

というかURLエンコードのルールに即していれば、半角スラッシュだろうが&だろうが何でも入力できます。詳しく知りたい方は「URLエンコード」で調べてね。

 

出来上がったこのURLに接続してみましょう。

すでに項目の中に文字が入力された状態で編集画面に直接接続ができました!やったねー!

 

細く補足

ここで諸々知っておくと良いことをいくつか。

予め管理者で設定されている入力規則は有効ですので、入力規則を逸脱して入力すると、エラーになります。

テキスト型の項目なら何でも入りますが、もし日付型の項目にテキスト型のデータを入れると、どうなるでしょう。エラーが返ってくるでしょうか?
いいえ、結果としては「無視される」です。
また、無視された条件の後にある条件は、入力の仕方さえ合っていれば正しく入力されます。
また、他のオブジェクトのレコードを参照して紐付ける参照項目の場合、完全一致でない場合や、同じ文言が含まれる選択がある場合は候補がでてきます。

型違い→無視される
入力規則違反→エラーになる
参照項目不一致→部分一致する選択肢が出てくる

 

f:id:nnn123:20200122210645p:plain

こんな感じです。

また、Salesforce環境で使えるURLパラメータのリファレンスを、有志の企業担当者さんや個人がブログに書いてまとめていたりします。私も大変お世話になりました。URLパラメータで出来ることをもっと詳細を知りたい場合は「URLパラメータ Salesforce」とかで検索して下さい。
これだけ読めば、Excelに慣れた職人さんであれば、ささっと素敵なツールを作れそうじゃないですか…?

 

ただ、念の為お伝えしておくと、このURLパラメータを使った初期値補完は、正式にSalesforceにサポートされている機能ではないようです。そのため、2020/01/21現在では使えていますが、ある日突然使えなくなる可能性もなくはないということです。そうだとしても、何の権限もないユーザーからしたらめっちゃ便利なので、私は使います。

 

 ■URLパラメータの使用について

https://help.salesforce.com/articleView?id=000331368&language=ja&type=1&sfdcIFrameOrigin=null&mode=1

 

さて、今日はとりあえずここまで。

後編では、実際に私が作った画面の紹介をします!(予定)